統合失調症
統合失調症について
幻聴や妄想などが特徴的
統合失調症の多くは思春期から青年期に発症し、幻聴や妄想といった症状が特徴的な精神疾患です。この病気は脳の神経ネットワークにトラブルが生じる「脳」の機能障害で、およそ100人に1人弱の割合で発病します。
生まれながらストレスに対するもろさがあり、そこに限度以上のストレスがかかると、脳内の神経系に異常をきたして発症すると言われます。
発症早期の治療が重要
経過は人によって様々で、とてもよく薬が効いて、症状のコントロールがうまくいく方と、そうではない方など、いろいろな患者さんがいらっしゃいます。
原因は、現在でもはっきりとは解明されていません。どの方がどのような経過をたどるかの予測も難しいところです。
ただ、「発症早期の治療」が重要であることは認められており、早期のうちに、専門医による適切な治療を受けることが大切ですので、思いあたる症状があれば、早めに受診されることをお勧めします。
統合失調症の症状
病期に応じて下記のような症状が見られます。
初期
- 幻聴(実際には無い声や音が聞こえる)
- 被害妄想(悪口を言われる、見張られているなど、実際には無いことをそう思い込む)
- 思考の混乱(物事を正確に理解・判断できない)
- 感情の不安定さ など
回復期
- 意欲の低下
- 倦怠感
- 過眠
- 甘え など
慢性期
- 活動性の低下
- 周囲への無関心
- 注意力の低下 など
統合失調症の治療
統合失調症の治療にあたっては、継続的な薬物療法によって、症状を安定させます。また、できるだけストレスを溜めないような生活指導、デイケアや共同作業所などの活用によって人との関わりを保ったり、社会生活の技術の習得を行うことが重要と考えられています。
当院では「持続性注射剤(LAI)(デポ剤)」による治療を行っております。
持続性注射剤はデポ剤やLAI等と呼ばれる製材で、
1回の筋肉内注射でお薬の成分がゆっくりと時間をかけて体内に取り込まれ、2~4週間効果が続きます。
近年開発された持続性注射剤は、精神症状が安定するだけでなく、
副作用が少なくなる、飲み忘れ防止、服薬からの解放を患者さんにもたらす可能性のある製剤として注目されています。
また、痛みが少なく、肩への投与が可能な薬剤が開発されたため、患者さんの負担が軽減されてきています。